専門家が解説|新入社員向けメンタルヘルス対策
本記事では、新入社員のメンタルヘルスに焦点を当て、必要なメンタルヘルス対策について専門家が解説します。
目次[非表示]
- 1.新入社員のメンタルヘルスの現状
- 2.新入社員がメンタルヘルス不調に陥りやすい2つの理由
- 3.新入社員のためにできる具体的なメンタルヘルス対策とは
- 3.1.セルフケア研修
- 3.2.研修を受けた新入社員の声
- 3.3.EAPカウンセリング
- 3.4.カウンセリングを受けた新入社員の声
- 4.まとめ
- 5.ピースマインドの提供する「はたらくをよくする®」サービス
- 6.参考資料
「勝手に仕事を進めてしまう部下とのコミュニケーションに困っています」
「入社3ヶ月で『仕事を辞めたい』と言う新入社員の対応に困っています」
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新入社員のメンタルヘルスの現状
新入社員のメンタルヘルス不調が増加している
「最近の若手や新入社員はメンタルヘルス不調者が多い」と感じられている方もいらっしゃるのではないでしょうか。公益財団法人日本生産性本部の調査によると10代、20代の心の病が最も多いと答える企業は、2010年から増加傾向にあることが分かっています(※1)。
各企業の感覚と統計データの両面から見て、近年、若手や新入社員のメンタルヘルス不調が増加していることは、社会的な共通課題になったと言えるでしょう。
昨今のメンタルヘルス不調の原因とは
上記の調査結果より、メンタルヘルス不調の年代間の差が縮まっていることも分かりますが、その背景には、職場における年功序列制度が薄れ、即戦力の志向が強まっていることが考えられます。従来、年数をかけて育成された30代の従業員に期待されてきた役割が、入社直後の若手にも求められるようになり、『一気に』かつ『早い段階で』負担が増しているということです。
さらに、コロナ禍によるストレスの蓄積は多くの人に関係する負荷となっています。公益財団法人日本生産性本部の調査では、コロナ禍においてメンタルヘルスが悪化したと感じている企業の9割弱が「コミュニケーションの変化」をその要因として捉えていると発表されています(※1)。
新入社員がメンタルヘルス不調に陥りやすい2つの理由
理由①テレワークに伴うコミュニケーション困難
新入社員は社会人としての対人関係を初めて構築し始める段階であり、相談報告等のスキルも未熟な状態です。さらにテレワークの導入によりコミュニケーションの機会や手法に制限がある環境におかれるため、仕事における対人関係構築の過程でストレスを感じやすくなっていると推測されます。
ここでは、実際のカウンセリングで得られた、リモートワークならではの若手社員のお悩みを紹介します。
対面でのコミュニケーション機会が乏しいことで、職場の一員としての実感がないという悩みです。実際に会える機会があっても、リモートとはまた異なる印象を受けて戸惑うこともあるでしょう。
小さな困りごとや悩みを抱え込み、孤立してしまうケースです。リモートでは相談に至るまでの工程がどうしても多くなってしまいます。ちょっとしたことであっても、まずは双方のスケジュールを確認して相談するための予定を押さえるなどのアクションが必要であり、つい後回しにしたくなることもあります。
リモートでの仕事環境により、タイムリーな反応が乏しいことで、不安が高まったり、自己効力感が低下するケースです。人によっては「本当はどう思われているんだろうか」などとネガティブな心配をしてしまうこともあります。この場合、一度感じてしまった疑いを解消することは容易ではありません。
今の働きが、今後のどのような仕事・やりがいにつながっていくのか、将来のイメージが描けないという悩みもありました。リモートワークでは、先輩の仕事ぶりを横で見ながら全体像を把握していくことが困難です。また、自分の将来像が描けないことで、理想と現実のギャップが深まってしまうケースもあります。
\テレワーク時代のコミュニケーションのポイントを解説した記事を読むにはクリック!/
理由②普遍的な新入社員のストレス要因
続いて、従来から存在する「若手・新入社員特有のストレス要因」についても見ていきます。
環境変化
学生生活から一転し、初めて社会に出るという環境の変化が、新入社員特有の悩み・ストレスを生んでいます。
リアリティ・ショック
リアリティ・ショックとは、入社前に描いていた働く自分の理想と現実のギャップを感じショックを受けてしまうというものです。2019年のパーソル総合研究所×CAMP共同調査においても、新入社員の8割近くがリアリティ・ショックを感じている結果が出ています(※2)。
新入社員のためにできる具体的なメンタルヘルス対策とは
新入社員は社会人として必要なストレスに関する知識やストレスマネジメントのスキルが身についていないため、ストレスにうまく対処できない傾向があります。
ここからは、実際に当社がお客様から受けたご相談を例に挙げながら、具体的な対策内容をご説明します。
ある人事ご担当者様から次のようなご要望がありました。
・新入社員にストレスマネジメントの実践的な知識をインプットしたい。
・自ら自分の状態に気づき、周囲に困りごとを相談できるようになってほしい。
この事例のポイントは、「知識提供に留まらず、周囲に困り事を相談できるようになってほしい」という実践を可能にするという要素が含まれている点です。これに対して、2つのソリューションを組み合わせる対策を提案しました。
セルフケア研修
セルフケア研修では新入社員の皆さんに、社会人として身に着けるべきである、ストレスの基本知識や、セルフマネジメントの手法を、ワークを交えてインプットします。
・一般的なセルフケア知識に加え、新入社員特有のストレス要因や、置かれる状況について説明をします。
・続いて、リモートワーク含め働き方が今後も多様化していくことを想定し、自ら仕事のオンオフを意識的にコントロールしていく工夫や、周囲への相談の重要性に焦点を当てて考えてもらいます。
そして、ここで学んだ知識を行動につなげるために、ストレスマネジメントの1つである、人への相談をカウンセリング体験までの間の一定期間に宿題として取り組んでもらいました。
研修を受けた新入社員の声
実際にセルフケア研修を体験された受講者の皆さんからは、前向きな声が届いています。
<セルフケア研修のポイント>
新入社員の方がストレスに対応する準備を整え、どんな時にどのように相談すれば良いのかを把握しておくことが、ストレス耐性の向上に繋がります。
\セルフケアの方法や効果、ご存じですか?詳細は記事をクリック!/
EAPカウンセリング
セルフケア研修にカウンセリング体験をプラスすることで、知識をより実践的に身に着けられる効果が期待できます。
セルフケア研修の参加者に、研修実施後の一定期間、日常生活の中で実践するストレス対処行動を設定してもらいます。それを実行してもらい、「いつどんな時に実行したのか」「どんな効果を感じたか」といったようなメモをつけてもらいます。
一定期間後、当社の相談窓口を利用し、そこでカウンセラーとメモを見ながら振り返りを行い、今のストレス状態や困り事について話し合ったり、必要に応じてストレス対処に関する助言などを行います。
ストレスのキャパシティや、内容、適切な対処法も、個別性が高いものです。個々の状況を踏まえたフォローを受けることがとても大切になります。また、相談するスキルが未熟な方には、相談が苦手な気持ちを整理し、自己理解を深めるお手伝いをします。相談内容の整理や伝え方のコツなどをお伝えするスキルトレーニングを行うこともあります。個々の理解度やスキルの習熟度に対応している点が特徴です。
このように、学んだ内容を実践した後、実行してどうだったかを確認をし、必要に応じた修正を行うことが学習効果の向上や行動化の促進のため重要になります。
さらに「相談によって丁寧な受け止めをしてもらえた」という体験が、社内の相談リソースへのポジティブな認知を高めます。新入社員が相談をしにくい理由として「これまで学校や会社家族友人などに相談したがしっかりと受け止めてもらえなかった」「相談して良かったと思えなかった」という声があります。これらが後のリソース活用を阻んでいる一因として考えられるため、今後必要な時に「利用する」という行動を後押しできる効果は、とても大きいと思われます。
カウンセリングを受けた新入社員の声
実際にEAPカウンセリングを体験された受講者の皆さんからは、様々な悩み事やストレス状況をお伺いしています。
これらの生の情報を集約し分析することで、新入社員のストレス状況や、要因への対処の仕方、会社に期待しているサポート内容を考察することも可能です。
<EAPカウンセリングのポイント>
新入社員の方が社内の相談リソースを体験し、ポジティブな認知を高めておくことが、ストレス緩和に繋がります。
まとめ
新入社員のメンタルヘルス問題やストレスマネジメント能力の向上についてご紹介しました。新入社員のセルフケアを後押しすると同時に、社内のメンタルヘルスケア環境も見直し、社員がいきいきと働くことのできる職場環境を整えていきましょう。
\若手社員のメンタルヘルス不調予防と対処方法についてもっと知りたい方はこちら!/
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また、従業員が抱える問題を、経験豊富で専門知識を持った専門家に相談し、その専門家の指示・アドバイスのもと、課題を組織的に解決することができる、従業員支援プログラム(EAP)を提供しています。
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