ダイハツディーゼル株式会社様

ダイハツディーゼル

コミュニケーションは従業員の心身の健康を保つ基盤
リスペクトのあるフラットな対話で、
相互理解のある安全で安心な組織を実現

ダイハツディーゼル株式会社様

ダイハツディーゼル株式会社 
安全衛生・環境室
室長 三宅 智也 様
主事・看護師 長野 しのぶ 様
総括グループ グループ長 吉田 周 様
ダイハツディーゼル株式会社(以下、ダイハツディーゼル)様は、コミュニケーションを大事にする企業文化の元、相互理解のある安全で安心な職場環境をさらに進化させるためのポジティブアプローチとして「リスペクト・トレーニング」を2023年より守山工場、姫路工場で導入し、職場改善施策に活用されるなど、健康経営活動を推進しておられます。詳しいお話を、安全衛生・環境室 室長の三宅智也様、主事の長野しのぶ様、総括グループ グループ長の吉田周様にピースマインド代表取締役社長の荻原英人と組織支援ソリューション部 スーパーバイザーの田中秀憲が伺いました。

ラインを長く抜けられない現場作業者も、
安全靴のままで参加できる気軽さがフィット

荻原 ダイハツディーゼル様では、健康経営に関する数多くのお取り組みをされていますが、特に注力していらっしゃるポイントをお聞かせください。
三宅様 誰もが「健康経営」という言葉を聞いたことがあり、それなりに理解しているとは思います。ハラスメント対策に関する教育は、国からの指針もあり、会社として強化すべき取り組みです。その上で、会社として従業員に学びの場を提供することが重要だと考えています。また、トップと従業員の距離が離れてしまうと心理的安全性を保つことが難しくなってしまう懸念があるので、研修のような知識教育の場では、経営層も一緒に参加して、従業員との距離感を縮められるように工夫しています。
荻原 「健康」という切り口に、「コミュニケーション」の視点をプラスされているのですね。
製造業のリーディングカンパニーであるダイハツディーゼル様が、リスペクト・トレーニングを実施されることは、とても先進的な取り組みだと思います。導入を決めた背景を聞かせてください。
三宅様 コミュニケーションは、従業員に安心安全な環境を提供し、心身の健康を保っていきいきと楽しく働いてもらうための基盤です。その中で、リスペクト・トレーニングは、一つの大事なピースだと考えています。
長野様 ストレスチェックの組織分析レポートで、現場作業者の高ストレス者割合が他の部門に比べて高いことがわかりました。研修などの対策が必要なのですが、一般的なハラスメント防止研修は2時間程の座学が多いので、長時間ラインから外れる座学の研修では、現場ライン作業者に参加してもらうことは難しいのではないかと感じていました。
三宅様 デスクワークの従業員が対象であれば、eラーニングなどオンライン研修も導入できるのですが、現場作業者はラインで働いているので、研修に参加するために長時間ラインを抜けることができません。
長野様 従業員全員が同様に参加できる研修はないかなと探していた時に、ピースマインドさんからリスペクト・トレーニングを紹介していただきました。
ワークが多い体験型で短時間のリスペクト・トレーニングは、研修に参加する時間を確保することが難しい現場作業者でも参加しやすく、私たちのニーズにフィットしていると感じました。何より「楽しそう」な印象で、ぜひ自社に取り入れてみたいなと思いました。
荻原 工場、オフィスなど、従業員の方々の働き方が多様な中で、誰もが参加しやすい気軽さをご評価いただいたのですね。
長野様 2023年の2月に、まずは守山工場で体験会を開催しました。体験会には職長、班長、労働組合の方にも参加いただき大変好評でした。導入後は、「安全靴を履き替えずに参加できる会場」で開催しています。
三宅様 この守山工場での体験会が、短時間で良い内容だと高評価で導入に至りました。そして昨年、守山事業所で行ったリスペクト・トレーニングに社長や役員が参加され『グループで実施してはどうか』という声があがり、今年度はグループに展開することになりました。

1,300人は繋がれる!
社長の親しみやすい人柄とフラットな姿勢が、
従業員全体のコミュニケーションスキルを自然と底上げ

荻原 リスペクト・トレーニングを実施されるにあたって、従業員のみなさまの反応はいかがでしたか?
吉田様 「リスペクト・トレーニングって何?」という疑問符が頭にいっぱいある状態で参加する人がほとんどです。何をするのかわからないドキドキとワクワク感があります。実施後は、「あっという間に終わった」という感想が多いです。楽しい時間はあっという間に感じるものですから、参加者にしっかり響いていると手ごたえを感じています。

従業員みんなが楽しんで参加できるように、ファシリテーターの方々には、いろいろな工夫をしてもらっています。例えば、グループ分けなどのフォーメーションも回を重ねるごとに進化させています。
田中 どの企業様でも、職種や役割によって、研修に慣れている方とそうでない方がいらっしゃいます。また、営業職など日常的に人とのかかわりが多い方とコツコツと作業に集中することが多い現場の方とではコミュニケーションのスタイルが異なることもあります。そういった傾向を踏まえて調整をかけることが、ファシリテーターの役割です。

ダイハツディーゼル様のすごいところは、毎回のリスペクト・トレーニング開始前に、堀田社長からのビデオメッセージを流しているところです。私はファシリテーターとして、これまで300回を超えるリスペクト・トレーニングを実施していますが、トップがここまで本気で取り組んでおられるケースは稀です。

堀田社長も初年度に自らリスペクト・トレーニングに参加され、その体験を経て次年度に向けてビデオを撮りなおし、メッセージの内容も年々パワーアップしていますよね。堀田社長の熱量が伝わって素晴らしいと思います。
荻原 企業における組織風土の改革において、トップからのメッセージは非常に重要なので、堀田社長からのビデオメッセージはとても素敵ですね。リスペクト・トレーニング実施後に組織や従業員のみなさまに変化はありましたか?
三宅様 実施直後は、楽しく気軽な雰囲気で「リスペクト~!」と声を掛け合うシーンを目にすることがあります。ただ、リスペクト・トレーニングは、終わった瞬間に劇的な効果があるとは思っていません。実施後に、リスペクトのマインドを蓄積していくことが重要です。

私自身は、褒めることを意識しているのですが、他の従業員を見ていても褒めるアクションが増えています。これはリスペクトの表れだと感じています。
荻原 日常のコミュニケーションで褒められる機会が多いと、認められていると感じられて安心感に繋がりますよね。
リスペクト・トレーニングの様子
三宅様 リスペクト・トレーニングとは別の軸ですが、大阪本社では執務室内の座席がフリーアドレスになってから大きな変化がありました。エリアセクション毎の座席配置の時には、役職者とメンバーが座る位置が区切られていたのですが、フリーアドレスになってからは誰でもどこにでも座れるようになって、フラットで相互に声をかけやすい雰囲気になりました。私もいろんな席に座ってメンバーのみんなに声をかけています。
長野様 私の場合、ICTのメンバーが近くにいる時には、わからないことを教わったりして、普段の業務では接点が少ないメンバーと自然にコミュニケーションが取れ、助けていただいています。
田中 ダイハツディーゼルの従業員のみなさまは、日頃からコミュニケーションを意識されているのですか?
三宅様 堀田社長の影響が大きいですね。分け隔てなく誰とでも気さくに話すので、管理職はその背を見て自然と引き上げられている感覚があります。
長野様 堀田社長は、「何でもやってみよう」と言ってくださるので、ダイハツディーゼルは新しい施策を提案しやすい文化だと思います。
田中 提案してもなかなか経営層を説得できないとお悩みの企業様もいらっしゃいます。臆せず提案できるのは、受け入れてもらえる安心感があるからこそですね。
長野様 堀田社長は、「グループ全体で1,300人位だから、その気になれば全員と会話ができるんだ。」と仰っております。その考え方が素敵だなと思い共感しています。
吉田様 ダイハツディーゼルの歴代の社長は、技術、製造、営業など、どの部門の出身かによってコミュニケーションの取り方にカラーの違いはありますが、従業員と目線を合わせて会話をする文化はずっと変わっていないと感じます。社長が自分たちの業務を見てくれていたり、直接声をかけてくれることは、従業員にとって嬉しいことですしモチベーションになります。
荻原 ダイハツディーゼル様には、コミュニケーションを大事にするDNAが脈々と受け継がれているのですね。トップが従業員や現場の仕事を理解されていて、共に歩む姿が素敵ですね。

リスペクト・トレーニングで、思考の畑を耕す
定期的に自身を振り返る習慣がエンゲージメント向上の鍵

荻原 ダイハツディーゼル様では、リスペクト・トレーニングの他、弊社のダイバーシティ研修も導入していただいています。ダイバーシティ&インクルージョンを企業風土として浸透させるために工夫されているポイントを教えてください。
三宅様 国籍や性別だけでなく、個人の考え方なども含めた多様性が尊重される社会になってきていますので、企業の中でも多様性を受け入れていくことは自然なことだと思います。ただ、人によって価値観は異なりますから、そういった世の中の変化にすべての人が初めから順応できるとは限りません。まずはみんなで知識を得て共通認識を持つ場として、多様性を理解するための研修を実施しました。これからも、研修などを通して、お互いを尊重しリスペクトをもって認め合える企業文化を育てていきたいです。
荻原 堀田社長や安全衛生・環境室のみなさまが、リスペクトある組織づくりに向けてイニシアティブを取っておられることが素晴らしいですね。
名札に貼られたスローガンのシール
荻原 メンタルヘルスをはじめとした健康経営の施策を進めるにあたって、経営層の理解を得ることに苦労されている企業様も少なくありません。ダイハツディーゼル様ではどのように計画を立てて決裁されているのですか?
長野様 心の健康は普段目に見えないものですが、唯一可視化できるのがストレスチェックの組織分析結果です。ストレスチェックの結果が組織にとって大きな意味を持つと考え、目に見えない心の健康をデータで示して報告することに注力して、施策を推進しています。
荻原 報告時に工夫されていることはありますか?
長野様 ストレスチェックの結果(組織分析レポート)は専門的な内容で、初めて見る人が読み解いて理解するのは難しいと思います。そのため、まずはわかりやすい資料をまとめることからスタートしました。報告資料は努めて数値や図で説明するようにしています。今では、会議報告後に個別の課題を投げかけられたり、会議の場で理解しきれなかったことを質問してくださる役員もおられます。

役員が中心になって行う施策や安全衛生が担当する施策が相まって、ここ数年で高ストレス者の割合が減りました。また、カウンセリングを受けるなど会社が提供している窓口への相談行動が増加しています。これは、会社全体の取り組みとリスペクト・トレーニングがリンクした成果だと考えています。
三宅様 グループ全体のエンゲージメントもあがっています。トップと安全衛生・環境室だけでなく従業員全員が一丸となって実施してきた施策の効果を感じています。ただ、どんな施策でも、従業員が飽きてしまうと参加しなくなってしまうので、これからはマンネリ化しないように工夫を続けていくことが大事です。これからもリスペクト・トレーニングを、従業員一人一人の思考を定期的に振り返る場として活用していきたいと思っています。思考の畑を耕す感覚で、毎年違う水や肥料を加えて、変化を楽しみながら栄養に変えていきたいです。
長野様 これからもピースマインドさんや他の施策にご協力いただいている企業を含め、ワンチームで何でも話して相談できる関係性を継続したいです。
吉田様 私はリスペクト・トレーニングを担当するようになって1年目ですが、田中さんを始め、ピースマインドのみなさんとは近い距離でお仕事をしていると感じています。この距離感を大事に、今後の施策を一緒につくりあげていきたいと思っています。
田中 ありがとうございます。リスペクトの土壌を耕していくには、継続的な刺激が大切で、何度も繰り返し内省をする作業が欠かせません。かといって飽きがきてしまうのもよくない。そのために都度工夫をした内容でのご協力を続けていきます。これからもよろしくお願いします。
荻原 それでは、最後に、みなさまにとっての「はたらくをよくする®」とはどのようなことか聞かせてください。
三宅様 「安全安心で、元気よく、わくわく働けること」が、はたらくをよくするベースです。仕事は楽しくなければ!
長野様 安全と安心を担保した上で、気持ちよく働けること。お互いを承認しあえる文化をつくっていくこと。「ありがとう」や「助かったよ」と自然に声を掛け合える環境で、一緒に働けて良かったと実感できることです。
吉田様 いまは60歳が定年だった時代とは異なり、はたらくことのゴールがどこだかわからない時代に突入しています。まずは、「毎日、元気な身体で会社に来て、しっかり働けること。仲間意識をもって、目標を仲間で分かち合いながら、みんなで形にしていくこと」が大事だと思っています。
荻原 本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。ダイハツディーゼル安全衛生・環境室の皆様が、心身ともに健康でリスペクトある職場環境づくりを目指されている強い思いについて、より深く理解できました。今後も引き続き、貴社の「はたらくをよくする®」に向けて全力でサポートさせていただきます。これからも安心・安全で働きやすい環境づくりのお力になれるよう尽力いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
向かって左から
ダイハツディーゼル:吉田様、長野様、三宅様、ピースマインド:荻原、田中、碓井(営業担当)
三宅智也 様 プロフィール
ダイハツディーゼル株式会社 安全衛生・環境室長
1994年ダイハツディーゼル株式会社に入社。2015年から安全衛生および環境に関する工場関連の運用を統括。2019年より本社、2023年からグループの取り組みに関与。
長野しのぶ 様 プロフィール
ダイハツディーゼル株式会社 安全衛生・環境室 主事 看護師
2017年ダイハツディーセル株式会社入社、産業保健担当として、グループ従業員のこころとからだの健康増進活動全般に携わる。
吉田周 様 プロフィール
ダイハツディーゼル株式会社 安全衛生・環境室(大阪)統括グループ長
1998年ダイハツディーゼル株式会社入社。守山工場検査部、品質管理部、労働組合(委員長)を経て2023年からグループの安全衛生・環境活動に携わる。
社名 ダイハツディーゼル株式会社 (DAIHATSU DIESEL MFG.CO.,LTD)
事業内容 各種エンジンの開発設計、製造、販売、アフターサービス
設立 昭和41年(1966年)5月2日
従業員数 1,327名(2024年3月末時点)(連結)
859名(2024年3月末時点)(単独)
 健康経営優良法人認定取得状況  2023年・2024年健康経営優良法人認定取得
URL  https://www.dhtd.co.jp/index.html
リスペクト・トレーニングの資料を無料配布中!
CTA_Rtraining_documentDL

関連記事

目指すはお客様とともに
「はたらくをよくする®」会社


平日 9:00~18:00
ご不明な点はお気軽に
お問い合わせください。
各サービスの資料をダウンロードできる
一覧をご用意しています。