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【新しくストレスチェックを担当される方向け】 ストレスチェック義務化の内容、注意点は?

ストレスチェックは2015年12月に義務化されました。

義務化されて久しいですが、制度が複雑で理解するのが難しいという声も少なくありません。ストレスチェックをご担当者様の中でも、難しいと感じる方は多いのではないでしょうか。

また、ストレスチェックの概要を知っていても、実施結果をどのように活用すれば良いか困っている場合もあるかもしれません。


ストレスチェックについて正確に理解することで、今後取るべき行動を明確にすることができます。


この記事を読むと

・ストレスチェック義務化の基本情報
・ストレスチェック実施後の問題点と解決策
がわかります。

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目次[非表示]

  1. 1.従業員にとってのストレスとは
    1. 1.1.仕事や職場でストレスを感じている人は多い
    2. 1.2.ストレスの要因は3種類
  2. 2.ストレスチェックの概要を押さえる
    1. 2.1.ストレスチェックとは
    2. 2.2.ストレスチェック義務化の基本内容は?
    3. 2.3.ストレスチェックを実施しないと罰則?
  3. 3.ストレスチェック実施の方法を知る
    1. 3.1.あなたはどの役割ですか?
    2. 3.2.ストレスチェックの流れ
  4. 4.ストレスチェックの2つの落とし穴
    1. 4.1.職場環境の改善に繋がらない
    2. 4.2.高ストレス者が放置されてしまう
  5. 5.まとめ
  6. 6.ピースマインドの提供するサービス
  7. 7.参考情報


従業員にとってのストレスとは

仕事や職場でストレスを感じている人は多い

ストレスチェック制度を理解するために、まず現代社会でのストレス状況を押さえましょう。

はたらく人はどれくらいストレスを感じているのでしょうか。


厚生労働省の労働安全衛生調査では、仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合は 2020年では54.2%と報告されています(※1)。

つまり、2人に1人以上という多くの従業員が職場でストレスを感じています

ストレスを感じている労働者の割合


ストレスの要因は3種類

職場のストレスには、様々な原因が考えられます。ストレス反応の流れを示すNIOISHの「職業性ストレスモデル」では、ストレスに影響を及ぼすものとして、「職場のストレス要因」「個人的要因」「仕事以外の要因」の3分類が挙げられています(※2)。

ストレスを生む要因


①職場のストレス要因

職場のストレス要因は、主に対人関係、業務内容・量、働き方などに関わっています。具体的には、職場環境、役割上の葛藤、不明確さ、人間関係、対人責任性、仕事のコントロール、仕事の量的負荷と変動性、仕事の将来不安、仕事の要求に対する認識、不充分な技術活用、交代制勤務があります。


②個人的要因

個人的要因には、年齢、性別、結婚生活の状況、雇用保証期間、職種(肩書き)、性格、自己評価(自尊心)が挙げられます。


③仕事以外の要因

仕事以外の要因には、家族・家庭からの要求などがあり、はたらく人のストレスに影響を与えています。


社員のストレスを軽減しメンタル不調を防止するためには、社員がどの要因によりそのストレスが生じているかを知り、個人や職場環境を改善していく必要があります。

ストレスチェックは、企業が従業員一人ひとりのストレス度合いやストレス要因を突き止め、対処するための手段となります。


ストレスチェックの概要を押さえる

これまで、ストレスチェックは、多くの人が職場でのストレスを感じている現状を改善すべく、厚生労働省により実施が推進されてきました。ストレスチェックの義務化により、さらなる心の健康の保持増進が図られています。


ストレスチェックとは

まず、ストレスチェックの概要について確認しましょう。ストレスチェックとは、ストレスに関する質問票に従業員が回答し、それを集計・分析してストレス状態を調べる検査のことです。

ストレスチェックを実施することで、従業員が自身のメンタル状態を把握でき、事業者は職場環境を早期に改善できるなど、社員・会社の双方にメリットがあります。社員のメンタル状態が深刻な状況になる前に把握し、改善へ向けた施策を打てば、貴重な労働力を失うリスクも減り、生産性の向上にもつながります。


ストレスチェック義務化の基本内容は?

次に、ストレスチェックの義務化の目的や対象、頻度を押さえておきましょう。

ストレスチェック義務化とは


ストレスチェックは「労働安全衛生法」という法律により定められたもので、従業員のメンタル不調の未然防止(一次予防)を目的としています。従業員が 50人以上いる事業場に対し、2015年12月から毎年1度、ストレスチェックを全ての従業員に対して実施することが義務付けられました。

ストレスチェック実施の証明として、ストレスチェックと面接指導の実施状況を、毎年、労働基準監督署に所定の様式で報告する必要があります。報告は各事業場ごとで行い、実施時期がわかれている場合は1年分をまとめて報告します。ストレスチェックを実施しなかった場合や、実施したが受検者がいなかった場合も、報告書の提出は義務となっています。


ストレスチェックを実施しないと罰則?

ストレスチェックを実施しない場合、義務化の対象となる場合は以下の通り罰則が設けられています。

次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。

五  第百条第一項又は第三項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は出頭しなかつた者

ストレスチェック実施の報告をしないと、50万円以下の罰金があります。


ストレスチェック実施の方法を知る

あなたはどの役割ですか?

これまでストレスチェックの基本情報について紹介してきました。

ストレスチェックを実施する上では、3つの役割があります。

ストレスチェックの役割


①ストレスチェックの実施者

医師、保健師、厚生労働大臣の定める研修を受けた看護師・精神保健福祉士の中から選ぶ必要があります。外部委託も可能です。 


②ストレスチェックの実施事務従事者

実施者の補助をする役割があります。質問票の回収、データ入力、結果送付など、個人情報を取り扱う業務を担当します。実施者と同様、外部委託も可能です。 


③ストレスチェック制度全体の担当者

事業場において、ストレスチェック制度の計画づくりや進捗状況を把握・管理する人のことです。 


準備段階として、まずはどんな役割があるのか、自分がどの役割に当てはまるかを理解しておきましょう。


ストレスチェックの流れ

ストレスチェックの流れ


実施の流れには、主に「導入前の準備」「ストレスチェック実施」「面接指導」「集団分析」の段階があります。課題を根本的に解決するためには、「ストレスチェック実施」だけでなく、努力義務とされている「面接指導」「集団分析」に注力することが重要です。


ストレスチェックの2つの落とし穴

ストレスチェックを実施しても、以下のように有効活用できないケースもあります。

ストレスチェックの2つの落とし穴

職場環境の改善に繋がらない

厚生労働省が行ったストレスチェック制度に関する取組状況についての実態把握アンケート調査では、2020年にストレスチェックを実施した事業場のうち、職場環境改善に取り組んだ企業は49.2%と報告されており、およそ約半数の企業が職場環境改善に取り組めていない現状があります(※4)。


ストレスチェックはメンタル不調の未然防止が目的であるため、ストレスチェックの実施を手段として捉え、結果をどのように活用するかが大切です。


厚生労働省提供が推奨する「仕事のストレス判定図」という分析ツールを用いて、努力義務となっている集計・分析をしたり、外部のサービスや専門家に委託して、結果の分析だけでなく、その結果に基づく職場改善の提案を受けると良いでしょう。


集団分析の方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。


  ストレスチェック後の集団分析の種類と活用方法を事例とともに徹底解説! 本記事では、ストレスチェック実施後の集団分析の活用方法について事例を交えながらご紹介します。 ピースマインド株式会社


高ストレス者が放置されてしまう

また、厚生労働省によるストレスチェック制度に関する取組状況についての同アンケート調査によると、高ストレス者のうち、実際に医師による面接指導を申し出る者の割合は5%未満という事業場が76.8%にのぼるということが分かっています(※4)。

面接指導を受ける従業員が少ない原因として、高ストレス者であるという結果が会社側に知られてしまうことへの懸念が考えられます。


そのため、事業者側は、面接に行っても不利益は被らないこと、面接を受けることのメリットなどを社内にアナウンスしておくことで、そのような懸念を払拭することができます。

ストレスチェック後の高ストレス者への対応については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。


  高ストレス者の放置がリスクに?ストレスチェック実施前後のポイントを解説 今回はピースマインドが推奨する、高ストレス者への効果的な対応について、「個人」と「組織全体」の2つの視点からご紹介します。 ピースマインド株式会社


ストレスチェックの形骸化を防ぐため、このような課題に対する解決策を講じられるようにしておきましょう。


まとめ

メンタル不調の未然防止のため義務化されたストレスチェック。

第一歩として、義務化の規則、ストレスチェックの実施・活用のフローや方法などの基本的な情報を把握しておく必要があります。


ストレスチェックを形骸化させるのではなく、よりよい職場環境づくりのために、検査結果を個人や組織の問題解決に活かしてください。


ピースマインドの提供するサービス

ストレスチェックの実施や結果分析・活用において、外部サービスを活用すると、よりスムーズな実施や有効な活用をすることができます。


ピースマインドでは、「ストレスチェック義務化法案の対策」「組織の健康リスクの計測」「高ストレス者の把握と適切なサポート」「ストレスチェックの活用」等の様々な課題解決をサポートいたします。


ストレスチェック法制化にも対応しており、ストレスチェックの実施と共に、医師面接指導の支援やそのフォローアップを行う高ストレス者ケアプラン、追加の集団分析や組織ごとの課題解決を行う職場課題解決プラン等のプランをご用意しております。

その他にも、階層に応じた研修・プログラム、ビデオ会議ツールを用いたオンライン研修などもご提供しております。


ストレスチェックをより効果的に活用して、はたらく人全員が笑顔でいきいきと働ける職場を目指しませんか?


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参考情報

※1 職場におけるメンタルヘルス対策の状況 厚生労働省

※2 NIOSHの職業性ストレスモデル 東京都労働相談情報センター

※3 ストレスチェック導入マニュアル 厚生労働省

※4 ストレスチェック制度の効果的な実施と活用に向けて 厚生労働省

後藤 麻友(ごとう まゆ)
後藤 麻友(ごとう まゆ)
ピースマインド株式会社  社員支援コンサルティング部 部長 EAPスーパーバイザー 公認心理師 臨床心理士 国際EAPコンサルタント(CEAP)  臨床心理学の修士号を取得後、ピースマインド株式会社に入社。EAPコンサルタントとしての臨床業務の傍ら、研究、研修、サービス開発にも従事。現在は、主にコンサルタントのマネジメントや育成支援を行っている。

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