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【公認心理師監修】ストレスコーピングでよりよい組織を目指す!

令和2年の厚生労働省「労働衛生安全調査」では、現在の仕事や職業生活に関することで、ストレスになっていると感じる事柄がある社員の割合は 54.2%だと示されています(注1)。強いストレスはメンタルヘルス不調をきたし、社員の休職・離職に繋がる可能性があります。また、コロナウイルスの影響により「新しい生活」が求められ、数年前にはなかったストレスを感じているのではないでしょうか。


一方で、適度なストレスは行動力や判断力を高め、仕事においてより良いパフォーマンスを発揮させます。では、ストレスと上手に付き合っていくにはどうしたらよいのでしょうか?この記事では「ストレスコーピング」の方法や効果をご紹介します。


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目次[非表示]

  1. 1.ストレスコーピングとは?
    1. 1.1.①問題焦点型コーピング
    2. 1.2.②情動焦点型コーピング
  2. 2.よりよいストレス対処法の選択
    1. 2.1.①ストレスコーピングリストを作成する
    2. 2.2.②ストレスコーピングを実践する
    3. 2.3.③ストレスコーピングの評価をする
  3. 3.ポジティブコーピング
  4. 4.企業ができる社員への支援
    1. 4.1.メンタルヘルス教育・研修
    2. 4.2.ストレスチェックの活用


ストレスコーピングとは?

ストレスコーピングとは、ストレス要因(以降、ストレッサー)にうまく対処しようとすることです。ストレッサーによって過剰なストレスが慢性的にかかると心身への様々な悪影響が考えられるため、健康を維持するには上手にストレスコーピングを行う必要があります。ストレスコーピングの方法には、問題焦点コーピング情動焦点コーピングがあります。(注2)。

コーピングの種類

①問題焦点型コーピング

ストレッサーそのものに働きかけて、それ自体を変化させて解決を図ろうとすることを問題焦点コーピングといいます。

・環境や人間関係が原因の場合、それらの問題を避ける。

・ストレスの原因に直接働きかけて変容させる。


②情動焦点型コーピング

ストレッサーそのものに働きかけるのではなく、それに対する考え方や感じ方を変えようとすることを情動焦点コーピングといいます。さらに情動焦点コーピングは2つのタイプに分かれています。

1つ目は、怒りや不満、悲しみなどの感情を誰かに話すことによって気持ちを整理していく感情発散型の対処行動です。2つ目は、このような感情を誰にも話さず自分の心の中に抑圧してしまう感情抑圧型の対処行動です。前者の方が精神健康的によく、ストレスが関連する疾患を予防する効果があることが知られています。

・ストレスを害だと考えるのではなく、成長の機会と捉える。

・気分転換を行い、一度リフレッシュする。


ストレスコーピングは、ストレッサーのコントロール可能性によって適切なコーピング方法が異なります。ストレス反応の低減には、コントロール可能性の評価が高いもの(自分でそのストレッサーを調整することができる)には問題焦点型コーピング、コントロール可能性の評価が低いもの(自分でそのストレッサーを調整することが難しい)には情動焦点型コーピングが有効であるとされています。

また、それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。


コーピングの特徴



よりよいストレス対処法の選択


次に、自分自身やストレッサーに合ったコーピングを見つけるための手順をご紹介します。

ストレス対処法の選択

①ストレスコーピングリストを作成する

ストレスコーピングの方法を多くあげて見える形にしてみましょう。

・上司や同僚に相談する

・問題から離れる

・机の上を片付ける

・気晴らしに散歩をする 


②ストレスコーピングを実践する

ストレスを感じたとき、リストアップしたコーピングを実践してみましょう。ストレスの原因やそのときの感情を理解することも大切です。


③ストレスコーピングの評価をする

実際に行ったコーピングが効果的だったか考えてみましょう。

・効果は一時的だったか長期的だったか

・ストレスは軽減したか、後からストレスを強めてしまうものっだったか

・日常的に使えるものか


「このストレスにはこれ!」というようなストレスコーピングはありません。1つのコーピング方法にこだわるのではなく、柔軟に様々な方法を試していくことが重要です。


ポジティブコーピング

ポジティブコーピングとは、発生後のストレスではなく、これから起こりうるストレスへの対処です。従来のストレスコーピングとは違い、ストレス発生の予防の意味合いが強くなります。また、未来において確実に発生すると予測されるストレッサーと、それほど確実ではない潜在的なストレッサーへの対処法は質的に異なるものとして区別できるようになります。(注3)


ポジティブコーピング


ポジティブコーピングは、挑戦的な目標や個人的成長を促進させるための資源の構築に関する努力と定義されています。環境からの刺激をネガティブに評価するのではなく、自己成長の機会と見なす点で、ポジティブコーピングはリスクマネジメントではなくゴールマネジメントとして捉えることができます

・新たな人間関係を構築する

・前もって課題について調べ、準備しておく


企業ができる社員への支援

社員の離職や休職に繋がってしまうメンタル不調の発生予防としてストレスコーピングをご紹介してきました。最後に、ストレスフリーな職場にするために社員に対し人事や会社側からどのように働きかけができるか考えてみましょう。


メンタルヘルス教育・研修

問題焦点型コーピングは問題の原因解決に繋がりますが、上司や同僚等周りの協力が必要なこともあるため、人によっては相談しにくいと感じる場合もあるでしょう。企業内で研修や教育の機会を作り、正しいメンタルヘルスの知識を得ることで、相談しやすい職場づくりにも繋がります。


ストレスチェックの活用

ストレスチェックは2015年の労働安全衛生法改正により、50人以上の企業で義務化されています。ストレスチェックの結果は本人に通知され、ストレス度が高いと判定された社員に対しては医師による面談指導などを行います。

ストレスチェックは、社員が何に、どのようにストレスを感じているか、社員自身がメンタルヘルスの状態を知るきっかけになります。


ピースマインドでは、「ストレスチェック義務化法案の対策」「組織の健康リスクの計測」「高ストレス者の把握と適切なサポート」「ストレスチェックの活用」等の様々な課題解決をサポート致します。


ストレスチェック法制化にも対応しており、ストレスチェックの実施と共に、医師面接指導の支援やそのフォローアップを行う高ストレス者ケアプラン、追加の集団分析や組織ごとの課題解決を行う職場課題解決プラン等のプランをご用意しております。


その他にも、階層に応じた研修・プログラム、ビデオ会議ツールを用いたオンライン研修などもご提供しております。


ストレスチェックをより効果的に活用して、はたらく人全員が笑顔でいきいきと働ける職場を目指しませんか?

  ストレスチェック|ピースマインド株式会社 ピースマインドの「ストレスチェック」についてご紹介いたします。私たちは、「はたらくをよくする」ため、さまざまな専門サービスをご提供しています。 ピースマインド株式会社


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田中 秀憲(たなか ひでのり)
田中 秀憲(たなか ひでのり)
ピースマインド株式会社 組織支援コンサルティング部  公認心理師  社団法人日本産業カウンセラー協会 産業カウンセラー 1964年生まれ。総合商社にての海外駐在、マネジャーを経て、30代後半で人材育成分野にキャリアチェンジ。法人向け研修のプログラム開発、講師として経験を積む。現在は、経営層・管理職・中堅社員といった幅広いビジネスパーソンに向けて、主にメンタルヘルス、コミュニケーション、ハラスメント防止、リスペクト・トレーニングなどに関する、研修企画・運用などをマネジメントするとともに、研修講師としても活動している。

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