成功事例|ストレスチェックサービスを切り替え職場改善へ確実に繋げる方法とは
労働安全衛生法が改正され、ストレスチェックが義務化されました。2022年には、ストレスチェックを実施した事業所のうち、80.2%が「分析結果を活用した」と回答し(※1)、ストレスチェックの集団分析結果を職場改善活動に活かすことが定着してきています。
一方、「職場改善の効果が見られない」「ワークエンゲージメントが向上しているか分からない」「高ストレス者のフォローに手が回っていない」など、現状の改善活動に課題感を抱える担当者の方も多いのではないでしょうか。それらの課題感は、自社に合ったサービスに切り替えることで、解決されるかもしれません。
本記事では、ストレスチェックサービスの切り替えを検討される際に知っておきたい5つのポイントと、実際に切り替えを行って効果が見られた3つの事例をご紹介します。
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▷コラム【高ストレス者の放置がリスクに?ストレスチェック実施前後のポイントを解説】
▷コラム【ストレスチェックご担当者】導入前の準備から分析まで:おすすめ資料まとめ
ストレスチェックサービス切り替え検討の際に必要な5つのポイント
まずは現状整理を行う
サービス切り替えを検討をする際は、現在利用しているストレスチェックサービスについて以下の整理を行うと良いでしょう。
●ありたい姿の確認
自社の事業方針・計画(健康経営推進など)を念頭に、ストレスチェックをどのように実施・運用すべきか検討する。
●現状と課題の整理
利用中のストレスチェックサービスで実現できていることといないことを明確にする。
上記をかけ合わせつつ、以下の5つのポイントからサービスを見ていきます。
①セキュリティとプライバシー対策は十分か
ストレスチェックデータのセキュリティやプライバシーの対策に悩みがある場合は、データの取り扱いに実績を持つサービスを選定すると良いでしょう。特に、個人情報を含むデータの取り扱いには注意が必要です。情報マネジメントシステムや、プライバシーマークなど、第三者機関による認定の有無を確かめることも有効です。
②集団分析結果から、さらに詳細な分析を得られているか
ストレスチェックの集団分析結果だけでは、アプローチすべき部署や、改善方法が見えにくい場合があります。ストレスチェックの結果を職場改善に活かすには、組織状態を詳細にデータ化・可視化できる機能を持ったサービスを検討すると良いでしょう。詳細な分析ができると、特定の部門や職種に見られるストレス要因を分析できます。
③質の高い提案力が備わっているか
国家資格取得者や、経験の豊富なコンサルタントが駐在しているサービスの場合、事務局や経営層に向けた報告会で、組織分析の内容を分かりやすく伝えてくれる利点があります。さらに、職場改善に向けた提言の質が高く、提案する改善支援サービスにも柔軟性があることが多いです。導入前に、資格所有社員の割合や、サービスの提供実績年数などを確認すると良いでしょう。
④実践的な職場改善支援を行えるか
分析を経て、実際に職場改善をしていくフェーズになった際、職場改善支援の実績によって、効果は大きく異なります。「具体的なアクションプランを策定できるか」や、「実践的にフォローができるか」といった視点で検討すると良いでしょう。
⑤高ストレス者対応ができるか
サービスに高ストレス者フォロー機能が備わっていれば、医師面接指導に手を上げない高ストレス者への一歩踏み込んだ支援等ができる可能性があります。例えば、EAP(従業員支援プログラム)のカウンセラーが高ストレス者に対してセルフケア目的のヒアリングを行ない、必要に応じて産業医等のリソースに繋げる、といった対応ができることもあります。
次に、弊社にサービスを切り替えていただいたことで、実際にストレスチェックに関する課題を解決できた事例を、3つご紹介します。
ストレスチェックサービスを切り替えて効果を得た3つの事例
事例①|質の高い組織分析で組織課題を把握
A社のお悩み(建設業 従業員数:約2600名)
「ストレスチェック後のソリューションを含まない、チェック機能のみを備えたサービスを使用しています。料金が安いのは魅力ですが、組織分析結果のレポートが見にくく、何が組織の課題なのかが分かりにくいと感じています。」
前章②の「集団分析結果から、さらに詳細な分析を得られているか」と③の「質の高い提案力が備わっているか」について、ニーズが達成されていない事例です。
この場合、ストレスチェックのシステムのみを提供するサービスでは、ありたい姿を実現できませんので、専門家としての分析結果の報告や提言、職場改善のためのソリューションが必要になります。
弊社ではA社に対し、ストレスチェック結果のデータを分析し、経営層向けの報告会や改善活動の支援も行うサービスプランをご提案し、ご採用いただきました。
報告会では、組織の課題を見える化したレポートを基に、コンサルタントが職場改善施策の提案を行います。介入すべき組織と方法を明確化したうえで、お客様に職場改善へ取り組んでいただけるサポート体制となっています。
事例②|高ストレス者へアウトリーチし不調を未然防止
B社のお悩み(製造業 事業所A 従業員数:約3000名)
高ストレス者の約90%が医師面接指導に繋がっていません。適切な支援に繋ぎたいものの、従業員それぞれの状況がつかめず、誰がどれ程のストレスを抱えており、どこに繋げばよいかの判断ができません。
前章⑤の「高ストレス者対応ができるか」が達成されていない事例です。ストレスチェックで高ストレス者の割合は把握できたものの、具体的な介入方法が分からず、お悩みを抱える人事の方は多いのではないでしょうか。あるいは、介入したくとも産業保健スタッフの資源が不足しており、手が回っていない組織もあるかと思います。
弊社では、B社に対し、EAPコンサルタントが高ストレス者80名に対して対面でヒアリングを行いました。対応が必要な社員の優先順位を付け、適切な資源に繋ぐところまでを一貫して行う支援内容です。また、ヒアリング実施報告書を作成し、相談傾向の共有や職場改善への提言まで行いました。
本事例では、高ストレス者全員へのヒアリングを行いましたが、組織の状況に応じてアプローチを調整します。例えば、高ストレス者の多い部門のマネージャーとコンサルタントが1on1を行い、組織の分析や考察、組織改善のために出来ることを検討するプランもあります。本プランは、職場改善が管理職任せで、なかなか進まないような組織への支援策として有効だと考えます。
事例③|リーダー階層へのヒアリングで課題明確化&対策検討
C社のお悩み(製造業 従業員数:約8000名)
中堅リーダー層のストレスチェック結果が慢性的に悪く、「チームリーダーになりたくない、降りたい」という声が見られ、退職希望者も出ています。どのような点を辛いと感じているかを把握し、改善方法を明確にしたいです。
前章④の「実践的なフォローを行えるか」が達成されていない事例です。具体的な改善活動を提案できるコンサルタントと、その改善策を実践できるカウンセラーが備わっているサービスであれば、改善方法の明確化だけでなく、実際に施策を行う支援も受けられます。
弊社ではC社に対し、EAPカウンセラーが全ての中堅リーダーに対し、30分のヒアリング、テキストマイニングを行いました。
その結果、以下の点が根本的な問題となっていることが分かりました。
・板挟み状態が頻発しストレス増加
・業務改善がうまく進まない徒労感による意欲の低下
・多岐にわたる管理業務
さらに「派遣社員や技能実習生の突発的な休みや、退職の穴埋めによる残業時間の増加」も上乗せされ、疲弊感が大きくなっていたことを報告しました。
報告の結果を踏まえ、リーダー層に仕事が偏らないような支援体制を組むことや、キャパシティーを超えた業務を見直すこと、マネジメントスキル獲得の支援に注力する必要性が明確になりました。
まとめ
本記事では、ストレスチェックの高ストレス者フォローや職場改善活動について、自社に合ったサービスを選ぶポイントや、弊社にサービスを切り替えていただいたことによる改善事例をお伝えしました。
ピースマインドのストレスチェックでは、ストレスチェックの実施、医師面接指導の支援、追加の集団分析や組織ごとの課題解決をサポートいたします。「集団分析と報告会の実施のみを依頼したい」といったお客様のご要望にもお応えすることが可能です。
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▷コラム【高ストレス者の放置がリスクに?ストレスチェック実施前後のポイントを解説】
▷コラム【ストレスチェックご担当者】導入前の準備から分析まで:おすすめ資料まとめ】
参考文献
※1厚生労働省「令和4年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況」