人事必見!新入社員を支えるメンター制度の効果を上げるには?
近年、新入社員のメンタル不調は増加傾向にあります(※1)。早期休職や離職を防ぐためにメンタルケアを進める必要性は感じているものの、新入社員を受け入れる現場のサポートまで手が回らないという人事担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、新入社員のサポート体制の1つとして、メンター制度に注目し、人事や管理職がメンターに対し実施すると効果的なサポートやそのポイントを解説します。
「まずは新入社員の不安や心理状況について知りたい」という方は
こちらの記事をお読みください。
目次[非表示]
- 1.新入社員を支える、メンター制度とは?
- 1.1.メンター制度とは?
- 1.2.メンター制度のメリット
- 2.組織全体でメンターをサポートする
- 2.1.メンターが不安に感じる事
- 2.2.メンターに必要なインプットとサポート
- 3.まとめ
新入社員を支える、メンター制度とは?
新入社員が安心して業務に取り組むために、まずは新入社員がサポートを受けられる環境を整える必要があります。その代表的なものに、メンター制度があります。
メンター制度とは?
メンター制度とは、豊富な経験と知識を持つ先輩社員(メンター)が後輩社員(メンティー)に対して行う支援活動のことであり、キャリアや悩みの相談に乗り、問題解決をサポートします。(※2)
上司は職務・業務の指示や部下を評価するなどの利害関係を持っています。一方、メンターは異なる部署に属するため利害関係がなく、相談に乗る役目を担うだけで、評価や業務の指示は行いません。多くの場合、直属の上司や先輩以外の入社3〜5年目の先輩社員が任命されます。
メンター制度のメリット
それでは、メンター制度の導入にはどのようなメリットがあるのでしょうか。新入社員(メンティー)、メンター、会社、それぞれのメリットについて説明します。
新入社員(メンティー)のメリット
新入社員の悩みとして、
「リモートワークでは話しかけづらく、誰にも相談できない」
「今のこの働きが、今後の業務にどうつながるのか見通しが立たない」
という声が寄せられます。
新入社員の評価に関わらないメンターが相談に乗ることで、新入社員は悩みを打ち明けやすくなります。またメンターがキャリア形成支援をすることで、新入社員は将来的なキャリア目標を描きやすくなります。
メンターのメリット
メンター自身もメンティーへの支援を通じて、人材育成意識が向上し、将来の管理職候補としての成長が期待できます。さらに、メンターとしての役割認識を持つことで、仕事への自主性や責任感が向上します。また、メンティーとの対話を通して、自らのキャリア形成を考えるきっかけにもなるでしょう。
会社のメリット
メンター制度を導入することで、人材育成を重視するという会社のメッセージ発信となります。またメンター制度を継続することで、「メンティーだった新入社員がメンターとなり、次のメンティーに関わる」といったメンタリングチェーンと呼ばれる、部門・部署を超えた組織横断的な連携・ネットワークの構築が可能となり、社内コミュニケーションの活性化や組織風土の活性化に繋がることが期待されます。
組織全体でメンターをサポートする
メンターが不安に感じる事
メンター制度は、ただ導入することだけがゴールではありません。その効果をメンティー、メンター、企業の3者が得るためには、メンターを行う社員への支援が必要になります。
メンターを務める社員からは、以下のようなお悩みが寄せられます。
「新入社員が何に困るのかわからない」
「自分の入社時と状況が異なり、どう接すればいいのかわからない」
「難しい相談にうまく対処できず、つきっきりになってしまう」
このように、メンターがサポートにまだ不慣れである場合、メンター自身が悩んでしまうことがあります。
メンターに必要なインプットとサポート
メンターを務める社員を支えるために、以下の2つのインプットが重要です。
①新入社員のストレスについてのインプット
②メンター自身が活用できる資源についてのインプット
①新入社員のストレスについての理解
新入社員からの相談時、メンターが適切な対応を取るためには、新入社員の状況やストレスへの対処方法を理解している必要があります。加えて、適切なコミュニケーションを取るスキルを身につけているとよいでしょう。
そのためには、新入社員のストレスやケアに関する研修など、正しい知識をインプットする機会の提供が重要になります。
<適切なコミュニケーションについて>
メンターとメンティーの信頼関係を築くためのコミュニケーションについて、こちらの記事で解説しています。
\本記事は5分で読めます/
<新入社員のストレスに関する詳細>
新入社員の不安や心理状況についてはこちらで詳しく解説しています。
②メンター自身が活用できる資源についての理解
メンターが自分では解決の難しい相談に直面したとき、課題を1人で抱え込んでしまう可能性があります。メンターが必要以上に悩むことを防ぐためには、相談できる相手や、窓口の利用方法を理解しておくことが重要です。
これらを実現するためには、メンターが活用できる資源の情報をインプットする機会を用意すると良いでしょう。
管理職だけではなく、メンターやリーダー等の、より新入社員と日常的に接する立場のメンバーにもラインケアに準じるような内容をインプットしておくことにより、新入社員のサポート資源が単純に増えるというだけでなく、サポートをする管理職のサポート資源にもなります。
メンターのサポートだけでなく、組織全体での取り組みについて知りたい方は、以下のイベントレポートをご覧ください。実際に当社がお客様から受けたご相談を例に挙げながら、具体的なメンタル不調の対策内容や研修の導入事例をご説明しています。
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まとめ
新入社員のメンタル不調を防止するためには、彼らのサポーターであるメンターのケアが重要です。メンターが適切に対処するためには、メンターが正しい知識を学ぶ場が用意される必要があります。
ピースマインドでは、経営課題や組織目標に応じて、最適な研修プログラムをコンサルタントがデザインします。まずはお気軽にご相談ください。
参考情報
(※1)公益財団法人 日本生産性本部「第10回「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査結果」(2021年12月2日)
(※2) 厚生労働省「メンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル」