メンタル不調と休職の関係とは?企業にできる3つの対策
職場で休職者が出ることは、業務が滞るだけではなく、職場環境や経済的コストにも大きな影響を与える可能性があります。休職者対策が喫緊の課題となっている人事担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事ではメンタル不調で休職する要因と、企業にできる対策について専門家監修のもと解説していきます。
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目次[非表示]
- 1.メンタル不調と休職の関係性
- 1.1.うつ病による休職者は約2人に1人が再休職
- 1.2.業界別で見るメンタル不調の要因
- 2.周りの社員のメンタルに影響を及ぼす可能性も
- 3.企業にできる3つの対策とは
- 3.1.ストレスチェックで高ストレス者を見逃さない
- 3.2.4つのケアを点検
- 3.3.メンタル不調のサインを知っておく
- 4.まとめ
メンタル不調と休職の関係性
うつ病による休職者は約2人に1人が再休職
厚生労働省の調査によると、うつ病で休職した社員のうち47.1%が5年以内に再発、再休職するという結果が出ています(※1)。このことから、メンタル不調による休職は、より深刻な課題であることが分かります。
業界別で見るメンタル不調の要因
独立行政法人労働政策研究・研修機構が2010年に発表したデータからは、メンタル不調者が多い業界やその要因についての結果が示されています(※2)。
たとえば、メンタル不調者のいる事業所の割合が高い業界は「医療・福祉」「情報・通信業」「製造業」となっています。
これらの業界について、メンタル不調の要因を全産業の合計と比べると、「医療・福祉」「情報・通信業」においては、その職場ならではの人間関係の難しさや、責任の重さ、長時間の労働など、各分野の現場の特色が現れる結果となりました。
「製造業」では、「本人の性格の問題」のほかに、「職場の人間関係」や「仕事量」、「家庭の問題」が高い割合を占める結果となっています。
周りの社員のメンタルに影響を及ぼす可能性も
休職者が現れることによる職場のメンタルヘルス状況について詳しく見ていくと、周りの社員のメンタル不調にも関係することが予想されます。
例えば、休職した社員の業務を周囲の従業員が負担することで業務負荷がかかったり、時間内にこなせず、残業で業務を遂行する状況が想定されます。1人当たりの業務量が増加することは、従業員の生産性の低下につながります。
さらに、休職した社員の業務を引き受けた社員は、休職者のフォローで増えた業務量を、減らしてほしいと言い出しづらかったり、「職場にどんな問題があって休職したのか」と疑問に感じることもあるでしょう。その結果、職場における生産性や心理的安全性が低下してしまう可能性があります。
職場で休職者を増やさないことは他社員の生産性の維持・向上やお互いの心理的安全性の確保のためにも重要です。
企業にできる3つの対策とは
ここまで、休職に関する動向や、職場全体に及ぼす影響を解説してきました。休職者を出さないために、また、復職した社員を再休職させないために、企業に出来ることはあるのでしょうか。以下では3つの方法をご紹介します。
ストレスチェックで高ストレス者を見逃さない
ストレスチェックで高ストレスの結果が出た場合、その要因は必ずしも従業員単独の問題だけではなく、職場全体の問題であることも多いです。
ストレスチェックの本来の目的は、従業員自身が自身のメンタルヘルスを理解し、セルフケアに役立てることですが、企業側がそのデータを分析し、分析結果を職場改善活動に適切に活用することも重要です。
以下の記事では、ストレスチェック実施前後に高ストレス者へアプローチすべきことを詳しく解説しています。ぜひご一読ください。
\本記事は5分で読めます/
4つのケアを点検
メンタルヘルス対策には様々な方法がありますが、厚生労働省の手引きで示されている「4つのケア」の観点からメンタルヘルスケアを進めるのも良いでしょう。
4つのケアについて詳しく解説した記事は以下をクリックして読むことができます。
\本記事は7分で読めます/
メンタル不調のサインを知っておく
社員のメンタル不調に気づくために、どのような状況の際に不調に陥りやすいか知っておくと良いでしょう。
メンタル不調のサインについて解説した記事は以下をクリックして読むことができます。
\本記事は5分で読めます/
まとめ
本記事では、休職に陥る要因や、職場にもたらす影響、企業にできる対策について解説してきました。社員が1人で問題を抱え込んでしまうような状況を防ぐためにも、日頃から対策を練っておくことが重要です。
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=参考文献=
※1 厚生労働省 平成28年度「主治医と産業医の連携に関する有効な手法の提案に関する研究」
※2 独立行政法人労働政策研究・研修機構 平成24年「職場におけるメンタルヘルスに関する調査」