2023-10-02 15:32
今回のご相談者
金融・保険業J社 人事担当(従業員数750名 / 本社所在地:東京都港区)
J社ではピースマインドのEAPを導入して3年目。前回(第10回)の相談を踏まえて継続的なプロモーションを行っているが、さらなる有効活用を求めてミスターパインのもとを訪れた。
お助けマン
EAPやストレスチェックなど、ピースマインドが提供するサービスのご担当者が抱える課題を解決し、企業にお勤めの皆さまの「はたらくをよくする®」ことに喜びを感じながら日々活動している相談役。趣味は英会話。
喜多見さん「パインさん、先日は相談にのっていただき、ありがとうございました。あの後、ストレスチェックや健康診断、社内のウェルビーイングセミナーのタイミングに合わせて、定期的にEAPをアナウンスしてみました。」
パイン「That’s good to hear! 皆さんの反応や、利用状況に変化はありましたか?」
喜多見さん「急激に利用が増えたとまではいきませんが、ストレスチェックの時は少し相談が増えましたね。EAPの認知率も併せてデータで取るようにしていたので、今後定期的に見ていこうと思います。」
パイン「利用は必ずしも多ければいい訳ではありませんが、まず必要な人に認知されていることは大事ですからね。」
喜多見さん「それで、今日のご相談なんですけど、もう少し悩んでいる人に積極的にEAPを使ってもらうように工夫出来ないかな、と思ってまして。この間、同期の営業リーダーと飲みに行ったときに、そいつが『新人とコミュニケーションどう取っていいのか分からん。踏み込むとハラスメントって言われそうだし』ってぼやいてて。」
パイン「I see. その方は、上司にも相談したんですかね?」
喜多見さん「上司に相談したら『俺は年が離れてるからもっと分からんよ』って言われたらしくて(笑)。まあ、これはそこまで深刻な悩みではなさそうなんですけど。
ただ、EAPでは『なんでも気軽に相談できます。早めに相談してね』ってメッセージしてますけど、こういう時にEAPっていう選択肢ってなかなか頭に浮かばないよな、と思ったんですよね。」
パイン「Right, 『なんでも気軽に相談できます』というメッセージは入口としては大事だしプロモーションとしては必要です。ただ、一方でなかなか『自分に当てはまる』というイメージが持ちづらい面もあるんです。」
喜多見さん「なるほど。確かに広告でも『皆さんにおススメです!』って言われるよりも、『30代、金融業にお勤めのあなたに!』って言われた方が、自分に向いたものなのかな、ってちょっと期待しますよね。」
パイン「Exactly! ですから、一通りEAPの認知が進んだ段階で、ターゲットを意図的に決めながらEAPを訴求していくと、さらなる活用法としては有効かなと思います。」
喜多見さん「確かに。ターゲットはどうやって選んでいけばいいんですかね?」
パイン「EAPを使って欲しい層がターゲットになるわけですけど、例えば不調者が目立つ対象層とか、先ほどの営業リーダーの方の話みたいに、EAPに相談したらヒントが得られそうな悩みを抱えている対象層など、組織で課題と感じている点を踏まえて考えていくことが基本になります。」
喜多見さん「利用状況のご報告でいただいている相談傾向とかも参考にできそうですね。昨年度のまとめでは中途入社の社員のことや、ミドルマネージャーあたりのお話を伺ったと記憶しています。ターゲットを決めたら、具体的にはどんなことをしていくんですか?」
パイン「いろいろな方法がありますが、一例としては、ターゲットの方が集まる機会に合わせてEAPの利用方法や相談事例などをお伝えすることが挙げられます。階層別研修とか、フォローアップの機会などでしょうか。この際、どんな時に、どんな悩みでEAPを使ってほしいのか、ターゲットに応じて具体的な場面を想定しながらアナウンスできるとよいと思います。」
喜多見さん「確かに、こんな悩みで使える、って自分に当てはまる例があったら、相談しようって思えるかもしれませんね。立場的にいろんな社員の悩みも聞いているので、自分が事務局としてアナウンスするときは、そのあたりも上手く例として使いながら話せるといいなと思いました。」
パイン「相談の事例やアナウンスの仕方、プロモーションのツールなども相談できますので、ぜひ一緒に考えていきましょう。」
喜多見さん「はい、ありがとうございます!まずは中途入社の社員をターゲットに出来ることから考えてみます!」
第10回の記事では、EAPの導入から、認知を社員に定着させるまでのプロモーションの考え方についてご案内しました。
EAPは、扱える相談の範囲が広いため、「なんでも相談できる」「悩んだらとりあえず早めに相談を」といったプロモーションになりがちな傾向があります。まずは全社員に相談窓口の存在を認知してもらい、いつでも自分が使ってよいものである、ということを理解してもらう段階では、このようなプロモーションも必要です。
一方で、「なんでも相談できる」というのは、逆に「こういう時にEAPを使うといいんだ」という具体的なイメージがつきづらい、という面も持っています。商品を売る際に「こんな悩みをお持ちの方に!」と、ターゲットに合うメッセージを訴求するのと同じように、EAPでも利用してもらいたい方に合わせて訴求内容を変えることで、社員がより「自分に身近なもの」「自分に必要なもの」と感じやすくなると考えられます。
とはいえ、ありとあらゆるターゲットに分けて訴求方法を変えるのは、労力の面で現実的ではありません。そこで、組織の課題を踏まえて、EAPを効果的に活用することで課題解決に役立つ部分はどこか、ということを、優先順位をつけていくことが大事になります。
その際にぜひご活用いただきたいのが、EAPの利用報告の場です。利用報告では、相談傾向や、個人が特定されない範囲で、どのようなご相談が寄せられたのかをご報告いたします。
相談内容や、他社の例など踏まえて考えられる課題の仮説と、人事労務や産業保健のご担当の皆様の問題意識をすり合わせながら、どこにターゲットを定め、どのようなメッセージを打ち出していけばよいか、一緒に考えさせていただきます。
多少語弊がある表現かもしれませんが 、「相談窓口を設置し、存在を周知して従業員が相談してくるのを待つ」というのが、ある意味『受け』のEAP活用だとすれば、「ターゲットを明確にし、課題解決のためにEAP利用を積極的に促していく」のは『攻め』のEAP活用と言えます。
組織の課題解決により役立てるために、『受け』に加えて、一歩進んだ『攻め』のEAP活用法を一緒に考えていきましょう。ぜひお気軽にご相談ください。・全体周知だけではない、ターゲットとメッセージを絞った『攻め』のEAP活用も
・ターゲットの優先順位づけにはEAPの利用報告の場を効果的に