今回のご相談者
複合サービス業H社 人事マネージャー (社員数280名/本社所在地:東京都台東区、支社(倉庫):埼玉県戸田市)
ピースマインドのEAP(スタンダードモデル)を4月に導入して半年が経過。
管理職との定期的な人事面談を担当している和泉さん。中間面談を終え、マネージャー陣がそれぞれのスタイルで会社の方針・部下の希望にフレキシブルに耳を傾け、ニューノーマルな働き方にも慣れてきた様子を伺え安心する反面、一点気がかりなことが。「部下のモチベーション管理」について耳にすることを多く感じた和泉さんは、ミスターパインに相談してみることに。
お助けマン
EAPやストレスチェックなど、ピースマインドが提供するサービスのご担当者が抱える課題を解決し、企業にお勤めの皆さまの「はたらくをよくする®」ことに喜びを感じながら日々活動している相談役。趣味は英会話。
和泉さん「いつもお世話になっております、パインさん。 実は最近、管理職との中間面談を1on1で一通り終えまして、『管理監督しているいくつかのプロジェクトの中でも、各チームやメンバーの 「力の入れ具合」だったり「やる気」の差が気になる』といった声が目立ったように感じて、気になったんですよ ね。これ、『ワークエンゲージメント』が下がっている可能性大ですよね?」
パイン「Interesting. それはまさにワークエンゲージメントの低下かもしれません。 ワークエンゲージメントは、『仕事への活力・熱意・没頭』という3要素で成り立っています。この部下のワークエンゲージメントというのは、リモートワーク下であると特に、なかなか見えづらいものですが、過去と比べて低くなったように管理職の方々は感じているのでしょうか?」
和泉さん「そうみたいなんですよ。 仕事はOKラインまでこなしてくれてるものの、 前はもっとやる気をもって、100%トライして想像を越えてきてくれていたのが、今は『60%の力量じゃないか、これ?』って感じることがあるみたいで。 自分の調子に合わせて力量を加減してくれるのは良いとは思ってるものの、管理職対部下の1on1なんかで様子を伺っても、いまいち理由がピンとこないらしくて。マネージャーとしてもそうですが、組織としても、従業員のモチベーションを引き出せていないのだとしたら、問題はなんだろうかと思いまして・・・。」
パイン「I see. それは職場のワークエンゲージメント向上に役立つヒントがあると心強いですね。 まず、表面上の仕事の出来だけでなく、中身のやる気の変化にも気付けるというのは、管理職の方々がしっかり部下の方々に期待を寄せ、 気にかけて見 ていらっしゃる証拠ですね。 Amazing!
ただ、もしその『期待』 と『見ているよ』 という事実が部下の方々に十分に届いていない場合、ワークエンゲージメントの向上にはなかなか繋がりづらいかもしれませんね。社内では、チームやメンバーが何かを達成したり活躍したときに、『レコグニションを獲得できた』と感じられるような評価・称賛の取り組みや文化はありますか?」
和泉さん「個人的にはマネージャーとして、定期的な評価は公正にできるよう心がけているつもりですが、リアルタイムでの称賛の声掛けなどは、思っている以上に軽く済ませてしまっている場合があるかもしれません。 他管理職陣も同じかもしれませんね...。 しかし『レコグニション』 というと、もう少し範囲広く、部署や会社全体からの認知のことを指すのでしょうか?」
パイン「Excellent point! 『レコグニション』は、よく『承認』 などと訳されますが、さらに深掘ってご説明すると、 従業員が『組織に自分の頑張りが影響する』と感じているかが肝心なのです。 なにかを頑張ったとき・達成したときに、より広い範囲でそれが認められ、より多くの人に労いや感謝の言葉をかけられたら、『次も頑張ろう』 と活力が湧きませんか?」
和泉さん「たしかに、そりゃそうですよね。 逆に、頑張ったつもりが誰の気にも止めら れず、当たり前かのようにスルーされてしまったら、やる気もなくなっていきますね。 ただ、やっぱり忙しい中で従業員それぞれの頑張りに気付いて称賛、さらに周りにも広められるかと言われると、恥ずかしながら自分もちょっと自信ないですね......。」
パイン「Great points again! 管理職として、部下の成果・成長に向き合うスキルももちろん大事ですが、ご自身で全て背負わず、組織の仕組みの中で補うのも1つの手です。 是非社内で取り込んでいただきたい、おすすめのレコグニション制度をいくつかご紹介します。」
和泉さん「なるほど、 他部署や横の繋がりから受ける評価というのはたしかに目が届きにくいので、上司としても可視化されていると、より多面的に部下を理解し評価できますね。 ソーシャルレコグニションに繋がる取り組みは、 ぜひ人事部内や経営陣にも持ちかけてみるとして、 Peer to Peerレコグニションの具体的な取り組み例など、あれば教えていただけますか?」
パイン「Wonderful! 例えば、下記のような取り組みはどうでしょうか? 和泉さんがおっしゃったように、従業員同士で送られた感謝を定期的に確認した上で、管理職の方々が『こんなところでも頑張っていたね』と言及をしてあげられるとなお良いですね。」
和泉さん「シンプルですし、見逃している部下の頑張りがないか、 確認できる場所ができるような感じがして、マネージャー陣も喜びそうです。 これがあると管理側も積極的にメンバーの貢献に注目し、公の場で感謝を伝えるというところまで完結できるので、是非試して、『従業員それぞれの頑張りが組織に影響している』ことを再確認してもらえたらと思います。」
ワークエンゲージメントは、組織の生産性へと繋がる日々の業務のみに関わらず、優秀な人材の維持にも大きな影響を与えます。
自分の能力をただ発揮できるだけでなく、それをしっかりと認めてくれる場に身をおきたいと思うのが人間の性です。
そこで職場環境として、施策を施せるものの一つがレコグニションの向上です。
和泉さんの相談のように、忙しい現場において、実際に従業員各自が組織から「尊重され評価されている」と感じる職場作りというのは忘れられやすく、どの職場においても、各従業員のレコグニションを高める為の積極的かつ戦略的なアプローチが大事になってきます。
今回は、職場での仕組み作りという観点で、いくつかの違った種類のレコグニション制度をご紹介いたしましたが、EAPでは、管理職者として部下の成果・成長に向き合う、また部下からのフィードバックをいかに組織へ還元できるか等、管理職ならではのコミュニケーションについてのご相談をお受けすることももちろん可能です。
ワークエンゲージメント向上に、職場におけるレコグニションの文化を是非、今一度振り返ってみてください。
①「レコグニション」は、従業員が「組織に自分の頑張りが影響する」と感じているか
②管理職個人が、部下の成果,成長に向き合うスキルももちろん大事だが、組織の仕組みの中で補うのも一つの手段
③どの職場においても、各従業員のレコグニションを高める為には積極的かつ戦略的なアプローチが大事