今回のご相談者
専門商社E社 人事部担当 (社員数1200名/本社所在地:東京都豊島区)
ピースマインドのストレスチェック(80問版)を今年から導入
お助けマン
EAPやストレスチェックなど、ピースマインドが提供するサービスのご担当者が抱える課題を解決し、企業にお勤めの皆さまの「はたらくをよくする®」ことに喜びを感じながら日々活動している相談役。趣味は英会話。
鶴川さん「パインさん、初めまして。 今年からストレスチェックよろしくお願いします。 ストレスチェックは毎年、集団分析をしてはいるんですけど、なんかただやっているだけ、みたいになっていて。 うまく使えていない気がするんですよね。」
パイン「I see. 義務とはいえ、せっかく実施するんですから、うまく活用したいですよね。 これまではどんな感じで結果を使っていたんですか?」
鶴川さん「集団分析結果のストレス状態や高ストレス者比率を見て、『あの部門がストレス高いね』というのはわかるのですが、 『ああ、やっぱりね。あそこはこういう問題があるから‥』というだけで。 結果が悪い部門って、だいたい予想つくじゃないですか。あとは情報量が多すぎて見切れないのもあるかも‥。」
パイン「結果を見たあとはどうしているのですか?」
鶴川さん「原因の目星がついている場合には、既になんらかの手を打っている場合もあるので、特にあらためて何かをするわけではない、ということも多いですね。 あまりに結果が気になる部門については、人事部長から部門長に様子を聞いているみたいです。」
パイン「I understand. ちなみに、最近人事部で課題として取り組もうとしていることや、鶴川さんが気になっている問題には、 どんなことがありますか?」
鶴川さん「そうですね‥。 リモートワークの影響もあるかと思うのですが、新入社員や若手が突然不調になるケースが多い、というのはよく聞きますね。それと、昨年度から1on1を導入しています。上司向けには1on1のやり方に関する研修なども行いました。 あとは最近、他社の組織と一部統合があったので、そのチームでは仕事の進め方のすり合わせが大変だと聞いています。」
パイン「I see your point. 新入社員の話や1on1の話は、他社の方からも良く聞きますね。 実は今鶴川さんがおっしゃったテーマについても、目的に応じてストレスチェックを活用することができるんですよ。」
鶴川さん「え?どういうことですか?」
パイン「例えば、新入社員・若手のテーマですが、これまでストレスチェックで年次のデータって取っていらっしゃいましたか?」
鶴川さん「はい、世代別の傾向を一応把握しようと思って、5年刻みでは取っていました。」
パイン「なるほど、5年刻みでも悪くはないのですが、新入社員のオンボーディング・職場への適応と考えると、1年目と2年目では全然状況が異なっていることもありますよね。 例えば5年目までは1年刻みで分析してみて、各年次の人たちのストレスや職場環境がどうなっているのかを分析することで、不調に影響を及ぼす要因がわかるかもしれません。」
鶴川さん「たしかに‥!新卒3年目以降の社員はリアルで先輩社員たちと関係性を築けていますが、2年目以降は入社からリモートでしたし‥。 困っていることが違うかもしれませんね。」
パイン「Exactly!! 他にも1on1の話で言えば、効果検証に使うことができます。 例えば『上司のサポート』や『上司による人材育成』などの項目が変化していれば、施策の効果が見られるといえるかもしれませんね。組織統合の例では、元の所属会社を属性データとして取っておくことで、元の所属会社ごとのストレス状態や職場環境の受け止め方の違いを確認することができます。」
鶴川さん「なるほど! 何をみたいか、っていうことを考えていくと、ストレスチェックで確かめられそうなことはいろいろありますし、 膨大なデータのどこを見るべきかがすっきりしてくるものなんですね!」
ストレスチェックの集団分析を効果的に活用するには、事前の設計が鍵になります。
その中で大事な1つのポイントが、「ストレスチェックで何を確かめたいのかの視点を定めること」です。
「ストレス状態が悪い・高ストレス者が多い組織を発見したい」というのが最も一般的な目的かと思いますが、それ以外にも様々な目的でストレスチェックの集団分析結果を活用することができます。
その際の大事な視点が「人事課題・組織課題と結び付けて考える」ということです。
鶴川さんのケースではオンボーディング期の不調、1on1の効果検証などの例を挙げましたが、他にも、人事課題と結び付けてストレスチェックの分析を行っている例をいくつかご紹介します。
■若手の離職
・5年目までの年次については、1年刻みで属性情報を取得し年次ごとに分析
・ワークエンゲージメントと関連が高い尺度(※)を分析し、その尺度を中心に年次・職種ごとに状況を把握
※統計的な処理によって分析を行います。
企業や属性ごとに違いはありますが、ワークエンゲージメントと相関関係が強い傾向のある代表的な尺度には「仕事の意義・働きがい」などがあります。
■リモートワーク頻度によるストレス状況の違い
・出社頻度についての属性項目を追加、出社頻度ごとの傾向を分析
・ストレスの状況に加え、コミュニケーションの取りづらさや周囲のサポートが不足しがちであると仮説を置き、「部署レベルの資源」及び「職場の一体感」を中心に着目
上記の例のように、ストレスチェックの集団分析結果は、職場改善の材料として現場管理職などにフィードバックする以外にも、様々な問題の把握や検証に活用することができます。
人事・産業保健スタッフの立場での代表的な活用目的のパターンをご紹介しますので、「こういう視点でも集団分析結果を見るとよいかもしれない」を考える際の視点としてご活用ください。
①組織、人事課題と結びつけて集団分析結果の活用法を考える
②目的が明確になると膨大なデータから見るべき視点が定まる
③設計に迷ったら早めにピースマインドにご相談を