コロナ禍における「はたらく人」のウェルビーイング調査レポートを公開 -「抑うつ感」「活気」の悪化やストレス度とパフォーマンス低下の影響が明らかに-

企業向けに『はたらくをよくする®』支援事業を展開するピースマインド株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:荻原英人、以下「ピースマインド」)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行やそれに伴う働きかたの変化が、はたらく人のウェルビーイングに与える影響を明らかにすることを目的にコロナ禍におけるはたらく人の心理的ストレス度アンケート調査を実施いたしました。
【調査の背景】
2020年1月頃から始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は、企業の経営戦略や働き方に非常に大きな影響を与えており、多くの企業が感染抑止のためにテレワークや時短勤務、時差出勤などを取り入れ始めました。しかし、十分な準備期間を設けられないまま、新しい働き方を導入した企業も多く、さまざまな課題が浮き彫りになってきました。
このような企業を取り巻く環境の変化は、はたらく人のウェルビーイングに大きく影響していると考えられます。企業が現在の危機的状況を乗り越え事業を継続していく上では、従業員のウェルビーイング向上を通じたパフォーマンス維持・改善は重要なファクターになります。

【調査結果】
1.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行により「抑うつ感」や「活気」が悪化
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行によるはたらく人のウェルビーイングへの影響を検討するため、調査結果を2019年度当社ストレスチェック全受験者の結果と比較した結果、「抑うつ感」や「活気」において、悪化している様子が見られました。(図1-①)

2.「管理職」の年代が上がるほど「業務の指示が伝わりにくくなった」と回答
年代が若いほどオンラインコミュニケーションのリテラシーが高いと考えられ、年代が上がるほど、在宅勤務下での業務指示の出し方に悩んでいるものと思われます。(図2-②) 意識的にコミュニケーションの質を高める必要があるでしょう。
また、若手非管理職ほど業務指示を上司に仰ぐ頻度が高いため、在宅勤務下での指示の仰ぎにくさ・伝わりにくさを特に感じているものと思われます。(図3-③) それによって、業務上の問題やストレスを相談する頻度も減っていると考えられ、在宅勤務下での上司・同僚の目配り・ケアの重要性は高まっていると思われます。

3.ストレス度が悪化するほどパフォーマンスが低下
高ストレスの方ほど、「業務とプライベートがわけにくくなった」、「意識的にくつろぐことが減った」、「人や物にあたって怒りや不満を紛らわすことが増えた」、 「仕事のストレスや問題を誰かに話すことが減った」 、「問題を深刻に考えるようになった」(図5-④)と感じているようです。働き方の変化に伴って業務とプライベートが一体化する中では、ストレスをリフレッシュする方法を知っているなど、ストレスを自分で適切にマネジメントする能力(コーピング能力)の重要性が高まっていると言えます。また、ストレスを一人で抱え込み、状況を深刻に捉えすぎた結果ストレス度が高まることを防ぐ上では、在宅勤務下でも活用できる相談先を確保することが重要になってくると言えるでしょう。
【回答者の声:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)発生前後の変化】 
※アンケートを元にプライバシーを配慮して修正を加えてまとめています。
メリット
  • 通勤時間が無くなり、仕事以外で使用できる時間が増えた。
  • 現在の業種であれば原則テレワークでもほぼ問題なく、ワークライフバランスが非常によい。
  • 在宅勤務で仕事の効率が上がった。未読メールは激減している。

デメリット
  • コロナ禍で人事異動となり、引継ぎがまだ終わっていない状況で仕事が思うように進められない。
  • 育児と仕事を同時にやらないといけなくなった。
  • 通勤時の寄り道、買い物など、ストレス発散の機会がない。

【企業は新しい働き方に応じたストレスケア施策を】
ストレスを強く感じている場合、業務と生活の切り替えがうまくいっていないことと、ストレス軽減の取り組みが奏功していない様子が見て取れます。
セルフケアにおいて、「オンとオフ」や「ワークとライフ」の切り替えが難しいことや、人とのコミュニケーションが減少していることがストレスを悪化させている可能性があり、平時以上に社員がセルフケア意識を高められる支援や、仕事のストレスや問題を他者に話せる環境を提供することがストレス軽減に役立つことが考えられます。
これらの状況には、在宅勤務下での社員への配慮や支援、職場の感染対策の方針や対応が影響していることが考えられ、より良い働き方が何かを調査し、実践することも重要でしょう。
また、マネジメントにおける観点では、 COVID-19による働き方の変化によって、ベテラン管理職が業務指示の伝えづらさを感じており、同時に若手の社員が業務の進めにくさや相談の難しさを抱えていることが見て取れました。この背景には、在宅勤務という働き方の変化によって遠隔でのコミュニケーションが主流となったことの影響が伺えます。このことより、マネジメントとしては、これまで以上に適切な頻度かつ、質を高いコミュニケーションをとる工夫が必要であると考えられます。
ストレス度の状況とパフォーマンスの状況は、これまでの知見同様に比例することが本調査でも明らかになったことから、働き方の変化によって生じる上記課題やストレス軽減への取り組みが、これからの社員の生産性の維持や向上に寄与すると言えるでしょう。

【調査概要】
調査対象期間:2020年6月4日~2020年6月15日(12日間)
調査対象:総回答者数568名(当社EAPサービス導入企業の従業員宛メールマガジンおよびSNS等で配布した調査協力依頼を通じてご回答いただいたはたらく人)
調査内容:現在のストレス度やワークエンゲイジメント、職場の一体感やハラスメント状況、部署から得られる労働資源や具体的な困りごと、主観的なパフォーマンスレベルについて尋ねる全55問のアンケート
調査実施者:ピースマインド株式会社ウェルビーイングラボ 渋谷英雄、清水計法、中村洸太、藤井奈津子、守澤匡平

【参考情報】 
【取材等のお問い合わせ先】
ピースマインド株式会社 広報PR室
電話:03-3541-8660
メール:press@peacemind.co.jp
担当:末木
お問合せ:https://www.peacemind.co.jp/contact/form

【プレスリリース_添付資料】20200709_コロナ禍における心理的ストレス度調査レポート.pdf
【プレスリリース】20200709_新型コロナの拡大がはたらく人のパフォーマンスに与える影響を調査_200708.pdf
※調査資料の詳細版はお問い合わせください。